綺麗なガラス細工の作り方とは?工程についてくわしくご紹介!

綺麗なガラス細工の作り方とは?
ガラス細工と聞くと、どのようなものを想像されるでしょうか。民芸品やおみやげを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、ガラス細工とは、実は私たちの生活の中にも多く存在しています。ガラスのコップや花瓶、夏に使うお皿など、これらもすべてガラス細工なのです。

本記事では、そういったガラス細工についてその工程や特徴、種類などくわしく解説していきます。ガラス細工の素晴らしい世界を知るきっかけにつながるでしょう。

ガラス細工の作り方について

まず、ガラス細工作りの工程を説明する前に、ガラス細工作りの概要を解説していきます。ガラス細工作りがどういったものか理解しやすくなるでしょう。

ガラス細工は吹きガラスが主流

ガラス細工は、ガラスを原料として作るものです。高温で溶かして作っていくガラス工芸品の一種になります。作り方の工程としては、「吹きガラス」という吹きながら形作っていくスタイルが主流です。多くのガラス細工であるコップや花瓶も同じ工程で作られます。さらには皿類も少し工程は変わりますが、ほぼ同じ作り方となるでしょう。

ガラス細工の技法の種類

ガラス細工の作り方や工程の中には、吹きガラスのほかにも、さまざまな技法にわけられます。「ホットワーク」と「コールドワーク」という2つに大きくわけられ、そこから吹きガラスやさまざまな技法があるのです。

ホットワークとは、ガラスを高温で溶かし、柔らかくした状態で作っていく技法を指します。吹きガラスもホットワークのひとつで、ほかにも型に流して固めるホットキャスト、バナーで形成していくバナーワークなどがあります。主に本記事では、ホットワークの技法である吹きガラスを中心に解説しましょう。

また、コールドワークとは、ガラスに直接切り込みを入れたり、色や柄をつけたりと、直接細工していく方法です。

ガラス細工の作り方・工程

それでは、ガラス細工の作り方を見ていきましょう。ここでは、吹きガラスの工程をご紹介します。

溶かしていく

ガラス溶解炉で溶かしたガラスを使用します。まず、吹きガラスに必要な道具が「吹き竿」(ブローパイプ)と呼ばれる長い棒です。およそ1,200℃以上に熱された、ドロドロになっているガラスを、少しずつ吹き竿に巻き取っていきます。

形を整える

次に、巻き取ったガラスはまだ高温で柔らかいため、鉄リンと呼ばれる水に十分浸し重ねた新聞紙に置き、形を整えていきます。これらの作業はかなりの高温と、素早い技術が必要になる要となる工程です。この段階で、次のステップである吹き作業の成功が決まるほど重要な工程になります。

吹き作業

ガラスが柔らかいうちに、拭き竿に、適度に息を吹きながらガラスを膨らませていきます。このガラス玉は「下玉」と呼ばれる一層目のものです。さらに、ガラス溶解炉に下玉を入れ、ガラスを巻きつけて形を整えて吹き、徐々に大きくしていきます。コップなどは2回ほど、花瓶や大きなものを作る場合は、3回ほど重ねていき調整していく過程です。

再び形を整える作業

グローリーホール(焙り戻し窯)に入れ、焙り戻しながら繰り返し形を整えていきます。作りたいものを、ここで完全に形にしていく作業です。

切り離し〜うつわの先端を広げる

形が整ってきたら、断熱材の上に置き切り離しの作業となります。ガラスは冷めてしまうと作業ができなくなってしまうので、ここまでの工程は、すべて高温の熱いままおこなっております。そのため、素早い作業は、職人の優れた技術といえるでしょう。

そして、次にうつわの先端を広げるため、切り離したガラスの底に熱されたガラスのついた竿をつけます。その場合、ガラスは少しつけるだけです。そしてグローリーホールで先端を柔らかく焙り戻して、先端を洋箸で広げていきます。

完成

最後に、底部分をあらためて焼き直すと、完成間近です。ガラスを冷やす工程は、一気に温度を下げてしまうとガラスの内部に歪みが入ってしまいやすいので、徐冷炉に入れ一晩かけながら、ゆっくりガラスを冷ましていきます。

そうしてひとつの手作りガラス細工が完成、でき上がりとなるのです。すべてが手作業のため、タイミングや巻き取るガラスの量、吹く息の加減で、でき上がりは少しずつ違ってきます。それも、味わい深い手作りならではのガラス細工作品のよさといえるでしょう。

まとめ

今回は、ガラス細工の作り方や工程をひとつひとつくわしく解説しました。1,200℃以上という高温で溶かしながら製作していくガラス細工は、まさに職人技といえる工芸品です。ガラス細工の作り方も、さまざまな種類があります。本記事では、ホットワークである吹きガラスの技術をメインにご紹介しました。

「茶房「靖」」では、熊野の自然を形にと、廃ビンや窓ガラスなどを溶かして仕上げる再生ガラスを使用しております。そういった熊野本宮ガラスのガラス細工は、シンプルで長く使用できるあたたかみのある製品ばかりです。

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